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Diary

「ハーモニー」って?

  • 執筆者の写真: kyaurope
    kyaurope
  • 2017年6月16日
  • 読了時間: 7分

雑学担当(?)。

ミァハのAWを紹介する前に、丁寧に原作の紹介をしておきます。

「トァンはさ、わたしと一緒に死ぬ気ある……」

伊藤計劃著のSF小説「ハーモニー<harmony/>」を原作として、

2015年ノイタミナによるアニメ映画化、漫画化などのメディアミックスが行われました。

ミァハはそんな作品の「もう一人の主人公」だとか「ラスボス」という位置で登場します。

聡明な女子高校生のミァハは、クラスメイトで主人公である女子高校生トァンに冒頭の台詞を吐きます。

それはつまり、"社会に対する反逆宣言"であり、"共謀の覚悟を問う"ものでした。

何故聡明な女の子がそんな発言をするに至ったか。

それは、決して自分の過去を話さないミァハその人の過去の経歴と、

ミァハやトァン、そしてもう一人の女子高生キアンなど、その世代を取り巻く社会風潮にあったのです。

2019年、核兵器による大災禍《ザ・メイルストロム》によって余りに多くの命が失われ、

"人命は資本を超越する重要な社会的リソースである"

と痛感した世代によってつくられた"生命至上主義社会"。

発達した医療技術により全ての病を徹底的に排除し、

自殺、犯罪などの傾向のある人物は周りの他人が気が付いて優しく労わり、

完璧な優しいメンタルケアが行われることによってこれまた徹底的に排除された世界。

誰もが他人に優しく、健康寿命が伸びきった、理想的な楽園社会。

おお、いいじゃん。なんて素敵なんだ。

そうだろうか?

こういった世界を嫌悪する方々、あるいはSF慣れしていてそういった状況を見慣れている方々はこう思うだろう。

「ああ、つまり。

 第三次世界大戦が起きたのでその後暴力を徹底排除する相互監視社会になったよ!

 ってことでしょ?

 つまり、ディストピア物じゃん!」

そうなんです。ディストピア物です。

実際これが一番平たくて分かりやすい表現じゃないですかね?

そもそも、この小説「<harmony/>」の主人公トァンは、後者の価値観を持つ女の子です。

でも、もっと漠然とした認識を持っていて、

『なんか……他人の発言に目くじら立ててまで健康を説くボランティアおばさん……ウザい……。

 そんでそんなおばさんが喋ることで拍手喝采を受けるこの社会……キモい。』

的なぐらいの、なんかこうなんとも言えないけど物凄く気持ちが悪い、みたいな感情を抱えながら学校生活を送っていました。

(※ここに限らず、当記事は分かりやすさを優先した結果色々かなり乱暴なまとめ方をしているので原作が気になる方は是非よんでーね!)

そんな時に、同じように後者の価値観を持つ聡明な女の子ミァハが、トァンを捕まえてこう語りかけます。

「大災禍《ザ・メイルストロム》の限りない人間による暴力にうんざりした世代は、

 限りなく人に優しいことを最大の美徳としたんだ。

 でもわたしもそういうおせっかいにはうんざりしてる。

 なにせ、生まれながらにしてもう、わたしの意志とは関係なく、

 『お前の命はこの社会の資産だ』

 として計上されてるんだよ? 勝手だと思わない?

 この世界はそういうわけで、自由じゃなくて、息苦しくて、わたしたちの意識が『真綿で首を絞められていくように殺されていく』んだ」

思春期のトァンが持っていた"自分がいるこの社会に対する違和感"を明確につらつらと言葉にしてくれたミァハに、

トァンは感銘を受け多大な影響を受けることになります。

ミァハの語りをずーっと聞いてたり……

ミァハが世界の真理を知っているのかもと思ってミァハの言う事聞いてたり……

ミァハに褒めてもらえると認められた気分で嬉しくなったり……

ミァハがつくった『わたしたちのマーク』にきゃっきゃっとしたり……

そして粛々と"この社会はいかに生命が重要視されていて、いかに窮屈か"ということを説いていたミァハが、ある日こう言うのです。

「わたしたちは大人になったら、

 この生命至上主義社会を支える重要なリソースとして、生きていかなくてはならない。

 そうなってしまう前に、わたしはわたしの持つすべての物で、この社会のすべてを否定する。

 その意思表示に一番効果的な手段は、自殺。

 わたしたちのからだはわたしたちのものなんだって、示そうよ」

「トァンはさ、わたしと一緒に死ぬ気ある……」

こうしてミァハとトァンは自殺を図る事となったのです。

しかしそれは、同じく自殺を図ることに加担していた三人組の最後の一人、キアンの密告によって失敗します。

トァンとキアンだけが、失敗します。

ミァハだけは手遅れで、死んでしまいました。

成人したトァンは、ミァハを一人で死なせてしまった、自分も共に死ぬと誓ったのに死ねなかったことに悔い、それからこの世界を相変わらず憎悪し、ミァハごっこをしながら、なるべく不健康であろうと努力しつつとりあえず"やり過ごし"続けています。

青春時代の"共謀"を思い返したトァンに対し、キアンは言います。

「わたしもミァハの言葉には共感した。

 でも、なにも死ぬことなんてないと思った。

 ミァハとトァンの傍にいて、わたしが話を聞いていれば、きっとどこかで満足してくれるんじゃないかと思った

 わたしは結局、バランサーを気取っていたんだと思う」

そう独白するキアン。途中で発信を受け取り、

「ごめんね、ミァハ」

そう言い残し、その場でナイフを喉に突き刺し自殺してしまいます。

唖然とするトァン。

あの当時、誰よりも大人だったキアンが今、目の前で自殺してしまったことにトァンは唖然とするほかありません。

キアンに掛かった発信の正体を探っていくことで浮上する、

"ハーモニープログラム"。

その裏にいる、死んだはずのミァハ。

"ハーモニープログラム"とは、一体?

ミァハのしたかったこととは、一体?

この社会の閉塞感を打開する術とは、一体?

本著「ハーモニー<harmony/>」で、自殺に失敗して成人したトァンが、これらの謎に迫っていきます。

再びミァハの後を追いながら……。

……思ったより原作紹介がなげーな!! (# ゚Д゚ )

なんておこんないで(´・ω・`)

しかも原作は随分前に借りて一回読んだだけ、映画も一回見ただけ、の人がなんとなくの内容を思い返しながら書いてるから細かい台詞は絶対に違うというガバガバっぷりですよ

(そもそも私はよほど忘れてない限り同じ本をあまり何度も読み返したりしません)

まぁ……でも……内容としてはそんなに間違ってないはずなので……

気になる人は是非書店で手に入れて読んでみてね。

この本は、まぁあらすじ読んで察する人は察するように、

SFチックな近未来とロジックを根底とした、どっちかっていうと哲学云々の話をしたりして

『人間の意志ってなんじゃろな~』

『理想の社会ってなんじゃろな~』

という"思想本"って感じなのと、

ラノベみたいな軽めの文章で読みやすい本なので、

本を読みなれてない人でも原作ちょっと買ってみようかなと思って読んでくださると嬉しいですね

世界設定がきっちりあるSF物っておよそそんな節ありますが、

『もしも未来がこんな世界だったらどうなるか』という一種の"思考実験"的な本なので

読むと面白いだろうということは言えるのでおすすめします

というか面白かったです

綺麗にまとまってて好きですね

まぁそれでも、本を読みなれてなかったり、時間がなかったり、手っ取り早く「とりあえずミァハがおよそどんなキャラなのか知りたい」って方なんかは

アニメ映画版があるのでそれをレンタルやらで見れば大体内容は掴めるかと思います

映画にするにあたって当然改変がいくつか(特にクライマックスの部分)入っているので、

映画版を見て、結末に「う~ん?」と思った方は特に、原作をちらっと見てくれたらいいかな、と思いますね

私は原作版の方が好きです

ま、原作厨ってほどでもないので好きなメディアで見ればいいんじゃないでしょうかね

まだ連載中で完結してないみたいですが漫画版もあるのでそちらでもいいかもしれませんね

(映画だと『怖いミァハ』って感じですが、漫画版だと『かわいい女の子ミァハ』って感じっぽいです

 下手に攻殻寄せっぽい映画版よりこっちの方が原作っぽいのかもしれない)

というわけで、私なりの原作「ハーモニー」あらすじ紹介は終わりです

皆さんお疲れ様です

次回はやっとミァハに入れたAWの簡単な紹介っていうかいつもの奴に入るよー

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