
―Extra
Episode???
FANTASY STAR online2
シップの崩れる音がする。
遠くに仲間の姿が見える。俺は咄嗟に手を伸ばし、彼女の名前を呼ぶ。
彼女もまた、こちらに手を伸ばし、必死に叫んでいる。
「……ス、リヴィ……くん! ……」
もう限界だ。視界が眩い――
「……ヴィス……、リヴィスさん、リヴィスさん、朝ですよ」
――目が覚める。ああ、朝か。どうやら夢をみていたらしい。
「おはようございます。朝食の用意ができてますので……降りてきてくださいね」
窓から差し込む朝日に目を細めながら体を起こし、一言礼を言うために目線を合わせると、田舎臭さしか感じられないこの村娘は顔を赤らめた。
敵対勢力にアークスシップが撃墜され、調査書に上がったことすらないような未開の惑星で目覚めてからというもの、ずっと情報を求めてふらふらと過ごしてきた。
――あれから五年か……。
「世話になったよ、アリガトウ」
「いえ、とんでもない……! ……もっといてくださっても良いんですよ? な、なんて……」
彼女は頬を染めて俯いたままそっとこちらを伺っている。
「迷惑かけるわけにもいかないからさ。それに、俺はちょっと気になるとこがあるから。行かないと」
そう見事なまでに庇護欲をくすぐらんと笑いかけてやってみせると、予想通り彼女は表情を曇らせる。
「そう……ですか……北の新興国家" フェオ王国 "……でしたよね。……アレは、やっぱりこれから大きくなるのですかね……?」
「さぁ? それを見に行かなきゃ。興味深いから」
「リヴィスさんは西方の学者さんですものね」
そういうことにしてある。
「今日の朝ごはんはなに?」
「! 今日は鶏が卵を産んだんです! スクランブルエッグにして、摘みたてのパセリを添えます! ま、まだ、鶏を捌く許可は貰えなかったけど……」
この惑星の文明は極めて低い。フォトンを利用したエネルギー供給はおろか、地球で見られたような電気製品すらない。
地べたで草を栽培し、その辺の動物を日がな倒し捌いて食料を賄っている。
そんな原始的な村やそれが多少発展した程度の町がこのエリアには点在していて、俺はそれを北東に伝って移動しながら生活をしてきた。
何故最初の拠点から移動を始めたかといえば、先に出た" フェオ王国 "を目指すために。
フェオ、といって俺たちアークス……いや、オラクル船団居住者が思い浮かべるのは、間違いなく" アークスシップ一番艦フェオ "だろう。
俺はその一番艦フェオの乗組員だった。聞けばここ数年で興った新しい国家であるらしいし、何かしらの情報は得られるかもしれない。
勿論、何の関係もない可能性もないではないけど……ここで行動もせずただの辺境の農作民になるつもりはさらさらない。
俺はこの村での宿と食事を提供してくれた彼女に微笑みながら、この村の慣習に倣った"ゴチソウサマ"をする。
彼女は小躍りしながら片付けた後、見送りに出た村の門前で弱々しい声色で呼び留める。
「……本当に、帰ってくる……?」
「モチロン。色々情報を得られたら、必ず生きて帰ってくるから。心配しないで」
「…………うん、うん。わかりました……」
タブンね。
「気を付けて!」
そんなわけで俺はフェオ王国なる地を目指して、進路をとる。
申し訳程度とはいえ書いてもらった地図もあるし、越えるのはたった一つの何ら難しくない山脈。
ライドロイドがあれば……とは思いつつも、迷うこともなく稜線からそれらしき王国を発見し、山を下って辿り着く。
道中で卑しい山賊に出会ったが、まぁそんな素人相手なんてフォトンがなくても大した相手じゃないね。熊からは逃げた。
王国門前まで行くと、仰々しくて重そうな鎧を着たこの国の兵士らしき男二人に呼び止められた。
「星々を渡る箱舟の名は」
「……オラクル?」
「……ほう……。……通れ」
通された。なんなんだ。正解なのか?
しかし、こうなってくるといよいよやはり関係のあるような……ないような……
「は」
思わず立ち止まる。
いや、これは立ち止まるだろうさ。
見知った人物の彫像が建っていれば。
"ユヅキ国王の彫像"
「見間違い。じゃ。ない。ない。な。……な?」
思わず近付いてペタペタと銅像を触るも、ノックするも、ハリボテじゃないし、変わらないし。見知った顔だし。
完全に唖然としてると、それを見ていた兵が近付いてくる。なんだ。もうちょっとこの気分を堪能させてくれ。久々にびっくりしたんだ。楽しませろ。
「……その様子、やはり貴方はユヅキ国王陛下のことをご存じで?」
「国王陛下ァ!?」
縦に頷く。すると兵士は突如姿勢を正しもったいぶった等速的な敬礼をしてきた。
俺はそれを知っている。
まさか。いや、まさか。
「……そう。そうだよ。そのユヅキ国王陛下にお目通り願えないかな。俺は旅人なんだ」
「勿論です。お名前は」
「……リヴィス」
「ではリヴィス様。こちらへ」
招かれるままに兵についていけば、レンガ造りの城をド真面目に示される。
こういう趣は見たことがある。どこの文化の模倣だったのかこの期に及んですら知らないが、アークスの間で自室の内装と外観ホログラムをまさに"コレ"に近付けられるテーマがあった。なるほど、太古の建設技術がコレか?
案内される通りに進み大広間へと通されると、玉座が見える。そこに座していた銀髪の"あいつ"がその腰を上げる。
そう、あいつだ。彫像の人物。
同じアークスシップ一番艦フェオに所属し、年少のうちに守護輝士の肩書きを持っていたあの人物。
「ユヅキ。……お前、なにしてんだ……?」
「お久し振りです、リヴィスさん! ようこそ、我がアークスの支部、"フェオ王国"へ。歓迎いたします」
颯爽と前髪を翻らせながら壇上を駆け下り、俺の手を取って頬を染めて大きく頷く。
「いやぁ! 元気そうでなによりです! 逢いたかったですよ、とても逢いたかったです。五年振りですか! よくぞいらっしゃいましたよ!」
そうまさしく少年のように歓喜に輝く瞳が俺を見つめて一切離さない。
右も左もわからない土地で五年間、彼も俺もそれぞれらしく右往左往してきたということだろう。
あの大敗北から五年。
「……お前こそ。よく生きてたな……俺も会いたかったよ」
「本当に! やっぱり待っていてよかった! 変わらないようで良かったです! どうですか、何かありましたか!」
「まぁそりゃあ、いろいろとね。いろいろと。そっちこそ……なんか、随分いろいろあったみたいじゃないか?」
そうちらりとあたりを見やる。
俺の背後で整然としている兵士が敬礼をしたままだ。
ユヅキが照れたようにくすりと笑い、兵たちに片手をあげると一同が一斉に右手を降ろす。
「立派でしょうよ。なんだか、ここの方々はとても礼儀正しいみたいで?」
「あー……。そうらしい。え、お前がさせてるんじゃなくて?」
「まさか! そういうわけじゃあーっ! ……ないですよっ? ウンウン。でも、ホラ、団結に規律は必要みたいですから!」
「そういうもんか……」
まったくいつの間にやら随分と偉くなったものだ。本当に。
とはいえ、アークスに所属していた頃から守護輝士に任命されている以上、地位としては元から出世していたヤツか。
……むしろ、つい五年前まで銀河をまたにかけて活動する調査団の最高戦力の一人であった彼が、今やこんな田舎惑星の辺境の小国の玉座に収まっているということは、諸行無常とでも唱えるべきだろうか。
この王国では一級品なのであろう。オラクルの技術からは大きく劣るマントを背負いながら彼は、俺の背中をしっかりと叩いて肩を寄せてきて、そのまま大股で誘導される。
「まずは食事でもいかがでしょう! 案内します、どの方角からきましたか」
「そりゃありがたいね、南西のウェンチェスタ村から。半日かけて山を越えてきた」
「ということは鶏はご無沙汰でしょう、蒸かしたジャガイモも添えて御馳走します! あの山間には賊がいたはずですが、身ぐるみ剥がれてはいませんか?」
「あんな程度造作もないだろ。剥がれたのかぁ?」
「まさか。でも危なかったです、この惑星は大気中に含まれるフォトンがあまりにも弱く、持っていたような出力の高すぎる武器はどれも棒切れにすぎませんから……。装備はどうしましたか?」
「同じく使い物にならなかった。とはいえ捨てるのもなんだから持ったままだよ。ついでにナノトランサーと中身もそのまま」
「結構ですね。いつになるかは我々の研究進捗次第ですが、いずれ……いずれ、使えるようになる時がくるでしょう……」
「研究?」
「この国の地下に墜落したシップの断片が埋まっているのですよ……というより、だからこそここに拠点を構えたのですが」
「なるほどね。進捗はどうなの?」
「……正直、芳しくはありません。何より、労働力が足りないのです。まず、国の維持そのものに人数が必要です。それも僕の権限、管轄で動く人数。民は各々の意思で農作を行ってくださってはいますが、彼らにとっては未だ経験の少ない作物を育ててもらっています。まだまだ監修する者が必要です。優秀な指揮官も不足しているしその指示に従う人数も足りない。労働力が足りなければ賄を増やすこともできない、その賄を増やすための資材を調達しに行くこともままならない。技術知識だけでは一朝一夕に大国をこしらえることなどできないのです」
「そもそも、なんで大国をこしらえようなんて思ったんだよ? 母船に連絡がとれりゃいいだけのことだろ」
「そう思うでしょう、しかしながらそれが難しいのですよ、リヴィスさん。断片をかき集めるには日数がかかります。日数をしのぐには生活基盤が必要です。生存者全員を集めるならなおさら。僕は人を集める時、我らがアークスシップの一番艦"フェオ"の名を継ぎました。オラクルのあらゆる人間がこの名を聞いてここを目指し、集えるようにです。我々は叡智を掘り返し、皆が集うのを待ち、迎え入れ、そして母船のもとへ帰る盤石な準備をしなければなりません。帰還を夢見て集まった皆が飢えて、あるいは外敵に晒されて死ぬようでは意味がないのです。生活の基盤が必要です。その基盤となるものが人の集い。村であり、街であり、国家です。かくして現地住民に協力と取引を重ね、僕はひとまず一国の王になった」
「現地住民か。特別悪い人たちではないみたいだな」
「……悪い人たちでは、ありません。そりゃそうです。皆とても……勤勉です。特に遠い宇宙で遭難した僕についてきてくれる方々は慈愛に満ちています」
簡素ながらも礼節を持った部屋に通され、御馳走が並べられる。
「……何か問題が?」
「ああリヴィスさん、これは内緒話なんですが……」
そう言うとユヅキは口を俺の耳元に近づける。
「いい時に来ました。少し良いワインが手に入ったので、リヴィスさんが食事のお供に望むのなら持ってこさせられますよ。品質向上の研究用であってまだ皆に配れるほどの量はないのでどうか内密で……」
どんな弊害の話かと思ったら、酒の話かよ。ユヅキはニコニコと得意げにして返事を待っている。
「いや、そんな意味のわかんねー贅沢いらないよ。俺は水でいいから」
「ああー、水ですか。残念ながらそれがワインに勝る贅沢なのです。この惑星の水は飲めるものではなくて、飲料といえばもっぱらワインかビールです」
「マジか。しかし驚きだわ、てっきり、ちょっと見ないうちにあのマジメなユヅキが酒好きにでもなったのかと」
「そうじゃありませんよ! 確かに多少気は和らぎますが、思考は阻害されます。……でも、必要に駆られればそれは飲みます」
「必要に駆られた。ありがたくいただくよ、チョットダケ」
「わかりました。もし気に入る味でしたら、是非ともここでその研究を始めてどんどん量産していただきたいものですね!」
「……お前…………」
機嫌よく笑いながらユヅキが近くの男に声を掛ければ、男はすぐに動き始め、グラスと共に一瓶を持ってきた。
一礼ののちに男も退室し、アークス水入らずで少し早い晩酌を始めさせてもらう。
「んで? 現地住民がなんだって。悪い人たちじゃないけど何かあるんだろ。せっかく会えたんだから相談してくれよ。俺も興味あるから」
「本音は最後の部分だけでしょうリヴィスさん……まぁ、そうですね、実のところ悩まされているのは宗教問題です」
随分素直に吐いたもんだ。未開の地を切り開いて弱っていると見える。
「シュウキョウ? ってなんだ」
「惑星ハルコタンを覚えていますか?」
「懐かしい名前だな」
「あそこでは黒の民と白の民、そして灰の巫女の伝承がありましたよね。惑星アムドゥスキアを覚えていますか? あそこの龍族は肉体が滅んだ後も転生し蘇るという伝承でした。そういった惑星、種族、民族固有の信仰する伝承……"ストーリー"のことを宗教っていうんじゃないかなぁと思います」
「曖昧な理解だな」
「正直今のところ、完全に理解できているわけではないので……それで、今のところここから南東にずっと行ったところに"宗教国家"があり、僕は墜落当時そこへ身を寄せていたのですが、宇宙で編成されているオラクル船団の話をしたところ、彼らの宗教上の理念に反し顰蹙を買ってしまったようで、追放されてしまいました」
「なんとまぁ短気なこった」
「苦しいですが仕方ありません……彼らにとっては理解しがたかったようですので……しかし、この寛容性の無さはとても困りますね」
「妄言と流されるわけでもなかったと?」
「うーん……いくつかの証拠を持っていってしまいましたしね……追放ついでに悪魔の信徒扱いです」
「ほーぅ? 本物の悪魔をオナカマにしてたやつが随分オモシロイこと言われてるなぁ?」
「まったくですよ。面白い人でしたけど別に信仰なんてしちゃいないのに! とはいえその悪魔の彼とも未だ連絡ついてないですけど。我々アークスは随分と散り散りになってしまった。リヴィスさんもくれぐれも近付かず、関わらず怒りを買わず、たとえ近付いても、あるいはどこかで彼らに遭遇しても、こちらのテクノロジーはひとつたりとも披露しないことです。我々はここでは彼らの援助なしに生きていくことはできない」
「ん……今は、援助を受けてるのか?」
「僅かばかりですが。とても助かっています……これからも受けることになるでしょう。それと、教会をこの国に建設する話ができあがっています」
「援助を盾にした監視か」
「ええ……とはいえ、それを表だって口にするのはこの国の領土内でさえお控えください。この世界の住民にとっては援助も宗教もありがたいことなのです。僕は断れない」
「随分と政治ってやつをやってるな……」
「まぁ……そう……結果的に、ですかね? 必要に駆られてしまったので……」
「なるほどな?」
「リンクさんが交渉に行ってくれなければ、僕が行く羽目になってきっとこうも穏やかには進まなかったでしょうから、感謝ですね」
「リンク? ……なんだ、あいつも生きてんのか!」
「はい! そうなんです! 他にもこちらで何名か! 僕一人でだったら国を軌道に乗せることはおろか建国だって不可能でしたよ!」
「やりかねないとは思ったけどな」
「そんなの、買いかぶり過ぎです。リンクさんの何もないところからの生活能力の高さと、アイザワさんの"人類の原始からの発達過程"の知識、そして僕の……僕の、サポートパートナーであるマチヅキのインプットのおかげです。何もかも、仲間のおかげです」
「そーか。あの大敗北で随分生き残ったな。皆この国にいるんだな?」
「いえ、リンクさんは。リンクさん以外はこの城にいるんですが。リンクさんは今、マルスさんらしき人を見たという情報を確認するため海の方への迂回路を取りながら南東に向かって出掛けています。もしそれが本当にマルスさんだったとしたらと思うと帰りが待ちきれません……」
「確かに。あいつは頼りになりそうだなぁ」
「…………そろそろ、帰ってきてくださってもおかしくないと、思ってるんですけど、ね……」
「あんま心配すんな。あいつなら平気で帰ってくるんじゃねぇの? 結構しぶとそうだし」
「だといいんですが……」
「例の悪魔サンなんて、生きてるならいつでもからかいに来そうなもんなんだけどなぁ」
「クロラさん、ですか。多分、生きていたとしても場所が遠いんじゃないですか?」
「え、飛んでこないのか? 空間をすり抜けるとかさ?」
「あ、リヴィスさんには言ってませんでしたっけ? あの人の能力はシップ墜落以前から制御チップで絶賛制御中なんですよ。で、僕がその解除権限を持ってしまっています。良かったんだか悪かったんだかわかりゃしません。もし生きていて僕の居場所を知ったとしたら、多分ここを目指しにくると思っていますが……」
「死んでたりして?」
「……やめてください」
「……ゴメンゴメン」
「あれに限ってそれはないと思いたいですし……むしろ、そうなったら多分肉体ごと制限を捨てることになると思うので、気が向いたら会いに来てくれるんじゃないですかね……?」
「そりゃーオモシロソウだ。ずりーなあ」
「……うん、相変わらずリヴィスさんがお元気そうでなによりです」
褒められてるのかそれは。
「他にもアークスの生存者は?」
「…………」
ユヅキが沈黙する。やけに難しい顔をしている。
「……さあ。僕が今現在、確認している限りではこの人数が限度です……いることには、いるといえるんですが。キャストであるクィンタさんが、僕らの飛び乗ったキャンプシップ不時着時にぎりぎりまで操舵してくれたようで、だからクィンタさんも一緒だったんですが……ここはフォトンが薄いです。フォトンの供給を受けて稼働する、キャストとしての稼働限界を迎えてしまって……。最初のうちは状況改善に動いてくれてたんですが今は……」
「燃料切れで眠り姫、ってとこか」
「はい。いいえ、完全な限界を迎える前には合意で眠ってしまわれました。フォトンを確保しないと……」
「過酷な環境でも活動できるキャスト、そんな売り込み文句でもフォトンがなければ関係なし、か」
「フォトンのない宙域が想定外だった、ってことでしょうか……正直、今にして思うのは、アークスの技術はあまりにフォトンという単種の粒子に依存し過ぎていたんだなぁと……」
「そんなこと今更気付いたところでどうにもなんねーけどな。母船から応援でも来るなら忠告ぐらいできなかねーが」
「……マチヅキも、キャストなんですよ。……クィンタさんの身に起きたことを教訓として、彼女も普段は眠らせてあります。何か、技術を検索したい時に」
「利用したい時にだけ起動して電子辞書代わり、か」
「…………。そうです」
「なるほどな。大体わかった。生産の安定と、フォトンの技術開発、またはその代替エネルギーの調達が今後の課題ってとこかな?」
「……そうですね。辿り着いたばかりだというのにこんな話ばかりして、本当に申し訳ない……」
「いーや。国王陛下と大変有意義な対談をさせていただいた。なんでも話してくれよな」
「またそんな……。でも、とても助かります。同志であり友として、ぜひよろしくお願いします!」
照れながらも、完全な安堵の表情を向けてくるフェオ王国のユヅキ国王陛下。
全面的に協力するかどうかは、俺が決めることだけどな。
……さて、俺はこれからこの世界で、どうしたものか。