
―HISTORY
Episode5
寄生主の不在!
リンク「ぐぐぐ……嫌なとこにナイトが利いてやがる……」
マルス「さぁどうするー、ほっとくとクイーン貰っちゃうよー」
リンク「それだけは……それだけは……ッ!」
クロラ「……ねえ。洗濯物忘れてないかい?」
リンク「あ! ちょいクロラ干しといて、俺今忙しいから!」
クロラ「……はーい」
マルス「……、ほ、ほんとに、随分いい子になったよねぇ……」
リンク「あ? あぁ、元からいい子だぞ」(ドウスルカ……ブツブツ
マルス「うーん、君の教育力には完敗というか……」
リンク「意外とどっかしら通じ合えるもんだって」
マルス(……なら、僕もいい人間、になれるのかな……)
リンク「くぁぁぁッ、勝てねーッ!!」
マルス「はい、じゃあまた来週再戦だね。紅茶入れてくる」
リンク「なぁーーー!? もー、どうすりゃいいんだ~~ww」(伸び
クロラ「終わったよ」
リンク「おーありがとう! 助かったぞ! 負けたけどなッ!」
クロラ「……、うん」
リンク「? どうした、なんか気になるのか?」
クロラ「いや……、そうだな、洗濯物をああやって外で干して煤けてしまわないかが気になって……」
リンク「は? なんでだよ、何か焚いてるわけでもないのにw」
クロラ「……そう、そんなわけがない。何でもないよ」
リンク「……。夕立もありえないしなー、毎日洗濯日和だぞ! 今日も晴れてるな!」
クロラ「……クリーニングに出してしまえばいいのに。何故わざわざ自分でやるの?」
リンク「んー、率直に言って、自分の生活分だけやってりゃ暇だからな。
逆になんでみんな自分で洗濯しないんだろうな! 気持ちいいのに」
クロラ「……忙しいんじゃないかな?」
リンク「あー、やだなー俺そういうのー。今の生活が性に合ってるわー」
リンク「……たまには、暴風雨ぐらい降らしてくれてもいいと思うんだけどなぁ……」
クロラ「……。あ」
リンク「ん?」
クロラ「……ううん。メールだよ。会えないかって。……出掛けてくるね。何時に帰るかはわからないけど」
リンク「デートか……」
クロラ「そう。バイバイ」
リンク「この野郎!!! 朝帰りしてこい、ハゲ!」
マルス「……あれ、デートだって?」
リンク「だってよ! あーーーいいよなあ! 俺にも紹介してくれないかなぁ!」
マルス「……、あのさ、今日のクロラ君、ずっと寝ぐせ直ってなかったんだけど、そのまま出掛けちゃって良かったのかな……」
リンク「ああ、じゃあ、"居ない"んだろうなぁ。……んじゃ、お遣いでも頼むか」
マルス「…………いない……。"アレ"が、かい?」
リンク「そう。"あいつ"はいいかっこしいが天才的だからな!
居たら言う事を聞いてくれないだろうが、居ないなら用事を何でも頼めるぞ~!」
マルス「すっかり手慣れたもので、こきつかっちゃってw」
リンク「弟分とはそういう宿命なのだ。しかたがない。……『しょうゆ買って帰ってくれ』~、っと」
マルス「……本当に買ってきてくれるかな……。じゃあ僕も砂糖を……」
リンク「いやぁ。いい子になったもんだなぁ。」