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―Collaboration

Episode4
クアン vs krc’:ler 

  どうしようもない冗談の最中、何となしに後ろを取ったクロラが物音を立てて振り返ったのを感じる。

 そして後頭部に突き付けられた鉄の感触。ゴリ、とした突然の死の宣告。

 クアンは極めて静かに罵る。

「……オイオイお前さん、そりゃ一体何の真似だァ?」

「いやあ! すまない! 本当にすまない! 君のことは本当に愛らしく思っていたんだけれど、そのあまりうっかり殺意が上回ってしまった!」

 即座に重心を落とし銃口をぶらすとその間一髪で派手な銃声が撃ち鳴らされる。当然、その一瞬で悟る。

 コイツは、本気だ。言っている意味はさっぱりわからないが、それもいつもの通りと思えばそうなのかもしれない……しかし、輪を掛けて意味がわからない。

「あン、気でも狂ったか……」

「へえっ! それは、それは俺がいつもは正常な思慮深く一般的な人間に見えていたってことかな! どうもありがとう!」

 瞳孔がすっかり開ききっている。さて、こいつの目はこんなに黒かっただろうか。

 クロラの目がすっかり獲物を狙う動物の目と同じであることに気付いて咄嗟にセイガーシールドを構える。二発分の銃弾が弾かれた。

 唖然としているこちらの心情など目もくれず、ニンマリと左右の頬の端から端まで届くかというほど口を笑わせているその表情に正気の沙汰は一片たりとも感じられない。

 そもそも、正気な人間は唐突に味方に発砲しない。

 元より人間でないのは百も承知だったが、それでもそれなりに共生ができる程の理性と文化を持ち合わせているように思っていた。

 少なくとも会話は掠り合いながらも成立していたし、肩を並べて闘うことも出来たように思う。

 しかし今の様子は、薬か何かをやっている人間と同じでとても会話が成立しそうにもない。

 その視線の先は、クアンか、あるいはその先の別の物の何かであるかのように焦点が定まらない。

「おい……、」

 意識の存在を確認しようと冷や汗をたらしながらそっと目の前でチラチラと手を振ってみたところ、それを認識したクロラは突然喉を壊しそうなほど笑い始めた。そのギラギラした目つきと表情その笑い方、とても理性ある人間の代物じゃない。その眼球がグルリと自分の魂かどこか一点をじっと見つめ、人として壊れきった顔のままのたまい続ける。

「ああ。やっぱり君って可愛いよ……どんなところも見てみたい……殺してしまいそうだ……いや……? 殺しても、きっと可愛い……」

 狂っている。

 そう感じた瞬間、ノーモーションで自分の眼前に鋭い蹴りが飛んでくる。

 風切り音を脳が認識する。冷や汗が頬を伝っている。顎を捉えた完璧な角度のハイキック。その脚が、蟷螂が一度振った鎌を静かに戻す時のような安定した動きで折り畳まれていく。振り返ればあれはノーモーションではなかった。一瞬の構え、正確無比な重心移動。間違いなく今の蹴りは、"技"。あと一瞬、ほんの一瞬でものけ反るのが遅れていれば、一体どれ程の衝撃を受けていただろう。

 カン高い笑い声を一音鳴らしたのを耳にし、即座に距離を置き身構える。ああ、これだけの実力を持っていると"アイツ"が知ればどんなに狂喜したか!

フレンドのクアン兄貴をお借りしたけど続きを忘れた。この後どうするつもりだったろうか

なんだったら引き継いで続き書いてくれないかなーチラッチラッ

実戦に入る前の導入で満足する傾向

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